【銅版画の作り方 技法 その1】銅版画の基本エッチング(etching)と腐食をやってみよう!

ワンコ先生

エッチングを制するものは銅版画を制する!!

おまつ

あっ、スラムダンクの名言だ。

ワンコ先生

好きだから使っちゃった。リバウンドと一緒で、エッチングもそのぐらい基本だけど大事なんだよ。

目次

エッチングってどんな技法?

ワンコ先生

エッチングとは、削った線がそのまま刷れるというシンプルな技法なんだよ。多分、銅版画の技法の中でも最も分かりやすいし、誰でもできるから初心者向けの技法かな!やり方はこんな感じ!

防食の仕方

グランドを塗って防食します

おまつ

これを塗ると腐食されないようになるってことだよね?

ワンコ先生

そうだね、エッチングで描画したところ以外は腐食しないようにするために、初めにこのグランドで全体を覆うんだよ。ちなみに、裏側も腐食されないようにあらかじめシートを貼って覆うんだよ。

用意するもの

  • 液体グランド
  • リグロイン
  • 銅版
  • 刷毛
  • グランドを入れるお皿

塗るとこんな感じになります。
グランドはベタベタした感じの液体なので銅版に塗る時はサッ、サッっと塗っていきます。

おまつ

このリグロインは何に使うの?

ワンコ先生

グランドを薄める時に使うんだよ。絵の具を使う時に水で薄めるみたいにね。

裏から熱して表面を乾かす

表面にグランドが塗れたらアルコールランプで裏から熱して表面を乾かします。

用意するもの

  • グランドを塗った銅版
  • アルコールランプ
  • 金網(あると便利)
  • 軍手(火傷しないように)
おまつ

なんか、理科の実験みたいだね!

ワンコ先生

銅版画は美術と理科と両方を兼ね揃えているんだよ。

乾くとこんな感じになります。

おまつ

表面は熱くて触れないのにどうやって乾いてるか分かるの?

ワンコ先生

乾いてくると表面の色が微妙に変化していくから、その違いで判断するんだよ。

おまつ

なるほど!

ベビーパウダーで表面をサラサラにする

グランドにもよりますが、全体に熱してみても表面が少しベタつくようでしたら表面にベビーパウダーをかけてサラサラにします。これにより、エッチングをしやすい状態にします。

ワンコ先生

作業する環境の温度や、湿度の具合によっても乾きが悪い時があるから、その時はこの方法でやってみてね!

エッチングをやってみよう!

用意するもの

・グランドを塗った銅版
・ニードル(削れるものなら何でもOK)

おまつ

ニードルじゃなくてもいいんだ!

ワンコ先生

銅版の表面が削れれば、釘でもカッターでも何でもいいんだよ。でもニードルの方が鉛筆みたいに扱いやすいから、初めの時はニードルがおすすめかな。

こんな感じでひたすらニードルで描画していきます。
筆圧が強ければ強い程、線が濃くなります。
紙に描くのとは違い、どのくらい描けているのか目で見てもなかなか分かりいくので、ある程度描き終わったら一度刷ってみて確認します。銅版画はこの彫る→刷るを何回も繰り返して一つの絵として完成します。

腐食の仕方

腐食液に漬け込む

ある程度、彫れたら一度腐食して刷れる状態にします。
この桶の中に腐食液と呼ばれる液体が入っています。
体に有害な薬品なので漬ける時は必ず手袋を着けて作業を行います。

おまつ

すごい色だね・・・この液体の中はどうなってるの?

ワンコ先生

こんな感じだよ。ついでに腐食について少し説明するね!

腐食の原理について

ニードルによってグランドが削られた部分のみ、腐食されます(イラストの青い部分)。
腐食時間が長ければ長い程、ニードルで削った溝の部分が深くなるので色が濃くなります。
作品をどうしたいかにもよりますが最初の漬け込み時間は5分〜10分ぐらいで一度刷ってみて様子を見ます。

ワンコ先生

腐食液に入れる時は版を逆さまに入れると綺麗に腐食されるよ!

ワンコ先生

腐食液から取り出すとこんな感じだよ。

おまつ

ぱっと見は腐食液に入れる前とそんなに変わってないね。

ワンコ先生

グランドを落としてみるとわかるよ!

グランドを洗う

腐食できたらホワイトガソリンでグランドを落として版を綺麗にします。

おまつ

ピカピカだねー!!

ワンコ先生

拡大してみるとさっきニードルで描いた時よりも溝が深くなっているんだよ!

刷ってみます

こんな感じになりました!

これで更に色を濃くしたりしたければ、またグランドを塗って最初の工程を繰り返します。
刷り方の説明はこちらの記事から

まとめ

今回は基本的なエッチングという技法と腐食について紹介しました。
エッチングは初心者の人にオススメしたいとても扱いやすい技法なのでぜひ試してみてください。また、グランドを塗る際に私の場合は刷毛を使ってグランドを塗りましたが、この他にも「流し引き」と言う方法もあります。

要はグランドで銅版を覆えれば良いので、どの方法を使うかは人それぞれ、自分に合うものを使ってみてくださいね。

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