マスクの下の素顔を知って

コロナ禍による弊害は私の周りでも起こっていた。ある子はサービス業で働いていたが仕事がなくなって別の職種に転職をしなければならなくなったし、またある子のお子さんは遠足や修学旅行が中止になってしまい、学校生活のイベントがなくなってしまい落ち込んでいた。その中でも特にマスク生活が印象的だったなと思い返していた。

これは私の知り合いの子の話しなのだが、とても興味深かったのでここに書いておこうと思う。

その子はコロナ禍と学校生活の三年間がちょうど被ってしまった世代なのだが、つまり入学から卒業までの三年間、みんなマスクをしていたので本当の素顔を見たことがないんだそう。

「そんなことあるの?だってご飯食べる時はマスクとるでしょ?」

「いや、それが黙食っていってアクリルの仕切りがしてあってみんな前を向いて黙って食べないといけないんよ。」

そういえば「飲食店では黙食を」と当時ニュースでやっていたなと思い出した。

そんなある日、その知り合いの子がクラスメイトの子に恋をしたのだそう。

青春。。甘酸っぱ。。と思いながら私はまさかこんな身近に少女漫画に出てきそうな恋愛模様を聞けるチャンスが来るなんて!!誰にも頼まれていないが私は人生の先輩としてアドバイスをするという勝手な体を装いその子から詳しく話を聞くべく、友人宅に向かったのだ。

彼は中学生で、青春真っ只中。私とも何度か会っており、割とざっくばらんに話す中だ。

「あの子はみんなに気をつかえて優しい子なんだ。」「勉強もできるし話してて楽しいんだ。」聞けば聞くほど片想いをしている子がとても素敵な子だなと思えてきた。

「そんなに好きならその子に気持ち伝えてみたら?」と人の恋には積極的で自分の恋には臆病な私が言うと、「そっか、そうだね!」と今度、放課後に告白することになったのだ。私はこの子の素直さとフットワークの軽さに驚きながらも内心はキュンキュンしすぎて死にそうになっていた。尊い。。

「じゃあ、今度会った時に結果教えてね!落ち着いて自分の気持ち伝えたら大丈夫だよ!あと、万が一うまくいかなくてもあんま落ち込むなよ!」と声援を送って後日またその子に会う約束をして帰路に着いたのだ。

そして後日友人から「告白しなかったらしい」と言うLINEをもらい、「まぁまだ若いしね、告白って緊張するしね。これは次の作戦会議始めますか!」と私はまさか恋敵が現れたのか!?それに話し聞く限りだと良い子そうだし、モテそうだもんなぁ。と色々勝手に妄想しながらその子の家に向ったのだ。

その子に、「ドンマイ!次があるよ。で、結局緊張して言えなかったの?」と聞くと

その子は「いや違うんだよ、実は違ったんだよ。」

「何が・・」

「顔。。。」

「顔?」

顔が違うってなんだ。急にホラー展開が来たのか。私が困惑していると、その子は言いにくそうに

「マスクで顔見たの初めてで顔があんまりタイプじゃなかった。。。」

「あ。。。顔ね。なるほどね。。」

誰だよ、人は中身だって言った奴!!結局外見やん。。てか性格100点でも外見がタイプじゃないとダメなんか。付き合ったら絶対その子良い子なのに。あと相手の子が可哀想だな。。そして私は長考した結果、こういったのだ。

「次からは確認しよ!」

そう、仕事でもそう。何か大事なことをする前には必ず確認をしてから行動に移そう。

こうしてコロナ禍によるマスクのせいで外見の理想が上がりすぎてしまったこの子の片想いは幕を閉じたのだ。そしてこの子は今後、彼女ができた時に知るだろう。化粧とすっぴんがあまりにもかけ離れている女性がこの世にはたくさんいるというこを。。

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