鉛筆の濃さは全部で22通り!デッサンをするなら知っておきたい鉛筆のHBや2Bって何の意味?の話

突然ですが、鉛筆のHBや2Bといった濃さの種類について「これってどういう意味だろ。」と気にかけたことはありますか?
私はデッサンをするまでは「HBよりは2Bの方が色が濃いなぁ。」ぐらいの認知しかしていませんでした。デッサンをしない人ならHBや2Bだけで事足りてしまうのですが、鉛筆デッサンをしようと思うと、これだけでは絵を描くことは出来ません。

今回はデッサンを意識した鉛筆の種類について紹介していこうと思います。これを知っていれば鉛筆の使い分けができるので表現の幅が増えること間違いなしです!

目次

鉛筆の種類ってどれくらいあるの?

鉛筆の種類はどれくらいあると思いますか?
10本?まさか20本?

実は22通りの種類が存在します。

鉛筆の硬さ(または濃さ)の数字は10H〜10Bまでと、とても幅広い種類があります。

数値は硬さ(濃さ)を示している

  • H=HARD(ハード・硬い)
  • B=BLACK(ブラック・黒い)
  • F=FIRM(ファーム・しっかりした)

例えば、B系の場合は2B、3B、4Bと数字が大きくなればなるほど、芯も柔らかく、色も濃くなってきますが、H系の場合は2H、3H、4Hと数字が大きくなるごとに、芯も硬く色も薄くなっていきます。ちなみにFはデッサンではとてもよく使う鉛筆の硬さです。影の部分やマットな黒を出してたい時にH系の鉛筆と重ねて使います。

デッサンでよく使われるメーカ別 鉛筆の種類

デッサンをする際に必要な鉛筆。どこのメーカが良いですか?と聞かれれば、これは人それぞれ好みによります。しかも描く人の筆圧や力加減により変わってくるのでこれは、実際に鉛筆を使って自分に合うものを選ぶしか方法はありません。

その中でも美大受験生は必ず使っている二大巨塔をご紹介します。なぜだか分かりませんが、ほとんどがこの2つのメーカーの鉛筆しか使わないです。

ステッドラー

こちらはドイツの老舗メーカーです。鉛筆と言ったらステッドラーという程その認知は高く通称「青い鉛筆」で広く知れ渡っています。特徴としては芯が全体的に硬いです。硬いということは色も少し薄い黒色になります。なのでカリカリと書き込みたい人や、筆圧が強い人はステッドラーを使うことが多いです。

ハイユニ

ハイユニは三菱鉛筆が出している鉛筆です。小学校の時に三菱鉛筆を使っていたよ!という方も多いのではないのでしょうか。ハイユニの他にユニもあるのですが(ユニがグレードアップしたタイプがハイユニです)私の個人的な感想としては先程のステッドラーと比較すると芯がとても柔らかいです。特にユニの方はハイユニよりもさらに芯が柔らかいので描くとモサモサした感じの出来上がりになります。

あまりに炭が柔らかすぎると、炭が紙に定着しないので手で擦って紙の余白部分を汚してしまったり、影の部分を潰したりする作業がとても大変になります。なのでユニ系で描く場合は私はハイユニをオススメします。ハイユニはユニよりも少し芯がしっかりしていて紙の定着もよく、黒色が鮮やかに描ける印象です。使ってみるとその差は一目瞭然ですので気になる方は試しに比較してみてくださいね。

ちなみに私は、B系はハイユニ、H系はステッドラーと使い分けていました。

どの硬さの鉛筆をよく使うの?

結論からいうと、それは「どういった作品を描きたいのか」によります。私が美大受験の時には6H〜5Bぐらいの間で描いていました。もちろん人によっては全種類10H〜10Bまでを使って描く人もいれば数字を一つ飛ばしで(HB、2B、4Bなど)使っている人など、本当に様々です。ただ本当に上手い人になると鉛筆5本ぐらいしか持っていないという猛者もいたりします。(←めちゃめちゃすごいです!)

なのでこれは実際に鉛筆を使って絵を描いてみて自分に合った硬さのものを使うようにします。

なぜこんなにも鉛筆の種類が必要なのか

ここまで読んで、ふと「絵を一枚描くのに鉛筆ってこんなに必要なのか?」と思われた方もいるのではないのでしょうか。実は、デッサンを描く際に最も重要になってくるのが「黒色の濃淡の幅」です。デッサンには色がありません。そのため、黒色で全てを表現する必要があります。

▲私が昔に描いた静物デッサン(所要時間 2時間30分)
こちらのデッサンを例に簡単に説明しますと、このデッサンの手前のワイン瓶と奥にあるワイン瓶を見比べてください。(手で隠しながら見比べるとわかりやすいです。)
実はこの両者のワイン瓶は全く同じものです。ですが、手前と奥のもので色の濃さが違うのがお分かりいただけるでしょうか。

デッサンというのはモチーフ(対象物を)観察して描くというのが主に思われるかもしえれませんが、実はこのモチーフを描くことでそこにある空間を描いているのです。

つまり手前と奥という距離間を鉛筆の濃淡の差だけで表現しています。距離感以外にも色味や質感を全て鉛筆だけで表現するので、これだけのたくさんの鉛筆の種類が必要になってくるのです。

まとめ

今回は鉛筆の硬さ(濃さ)の種類について紹介しました。これからデッサンを始めてみたい、鉛筆で絵を描いてみたいという人は参考にしてもらえればと思います。
その他にも擦筆(さっぴつ)やガーゼで擦ったり、練りゴムで色を抜いたり、デスケルで測ったりとデッサンは鉛筆以外にもたくさんの道具や小技がありますので、また今度紹介していければと思います。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次