デザイナーとアーティスト(作家)の違いについて

今回は私の体験談をもとにデザイナーとアーティストの違いについてお話ししていきます。

目次

デザイナーとアーティストは錯交している

実際に私がデザイナーとして働いて実感したのが、デザイン科卒よりも芸術学科卒(主に油や日本画)で、デザイナーとして働いている人がかなりの数いること。しかも採用時に人事はデザイン学科よりも〜美大卒と履歴書に書いてあればこの人絵も上手いしデザインできるだろうと採用してしまうのも事実。

ではなぜ、彼らはデザイナーになったのか。それは「作家として上手くいかなかったから仕方なくデザイナーやってます」という厳しい現実を物語っていました。

ですが私のように、もともとデザイナーになりたくてデザインを学んできている人間からすると、デザインとアートって全くの畑違いであり「そんな簡単にデザインやれるのか?」と思っていたのですが実際に一緒に仕事をすると芸術学科卒のデザイナーにはあるものが欠如していることがあると感じました。
それは、、

論理的かつ客観的かどうか。

デザインは論理的にできている

そもそもデザイン科で何を学ぶのか。スケッチの描き方か?デザインの仕方か?どれも間違っていませんが一番は、、なぜこのデザインになったのかという説明がしっかりできるかの訓練をさせられます。
以前もデザイナーは人前で話せないと成り立たない職業だということに触れたのですが、デザインの授業にはコンセプトに沿って作品を作るのと同時に、そのデザインについてのプレゼン資料を作成し、クラス全員と教授陣の前でプレゼンしなければいけません。

ということはデザインとはただオシャレでかっこよければいいというものではく、誰が見ても分かりやすく尚且つそのデザインになった理由が論理的であることがとても重要になってきます。

この訓練を学生時代にやってきたおかげで、今までデザイナーとしてやってこれたと言っても過言ではないほど、とても重要なプロセスだと思っています。

客観的かどうか

この点がデザイナーとアーティストの大きな違いかなと私は思っています。アート作品の場合は作者の世界観が作品の魅力にも繋がってくる大事な要素になってきますので主観的に制作していきますが、デザインの場合は先述したように万人に共感してもらえなければいけないので客観的に見れるかどうかがとても重要になってきます。つまり、、

デザインとアートは考え方が正反対なんです。

アーティスト志望がデザイナーになるとどうなるのか

ではアーティスト(作家)志望の人がデザイナーになると何が起こるのか。

これは私がデザイナーとして実際に体験したのですが、、
ある日、油画科卒の人が私の部下として入ってきました。正直、絵やデッサンだけでいえば私よりも優れた人材です。こんなすごい人に教えることなどあるのだろうかと思いながらも仕事について教えるのですが、話してみるとなんだか会話が成り立たない。

デザインについての話しをしてもなんだか噛み合わない。と言うよりとても抽象的。
その人の言わんとしていることは、何となく、汲み取ることは出来るのですが、その人のデザインが論理的かと言われればあまりに「何を言ってるのかわからん。。」と言った感じなのです。

案の定、その人のデザイン案は企画や営業からはダメ出しの嵐。そしてその人も反論したいんだろうけど言葉が見つからずイライラしているのが伝わってくるのです。

実際に目の当たりにするとこの差はとても大きいと思いました。
仮に私がこの人と同じデザインをしても「企画や営業はここの箇所をついてくるかもしれない」と、客観的にある程度の予測ができるので説明できる準備をしてから挑みます。ただこの人はもともと、デザイン科ではないので学生時代に論理的にデザインを組み立て、客観的にみる訓練をほとんどしてきていないのです。なので反論された時に対処する術を持っていなかったのです。

極端な話、変なデザインでも相手が共感してくてるような話術があればデザインは成り立ってしまうのです。結局その人は半年程で辞めてしまったのですが。。

まとめ

今回はデザイナーとアーティストの違いについて紹介しました。デザインは絵がある程度描けて、パソコン使えれば出来そうだなと思わせる雰囲気がとても出ています。私ですらそう感じます笑。
なので現在芸術学科の人は、安易にデザイナーならできるだろうと高を括っていると働いた時に大変な目に合いますので注意してくださいね。芸術学科卒でもしっかりと論理的かつ客観的な人もいますので、これはあくまで一例として読んでもらえればと思います。

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