絵を始めるなら教室に通った方がいいの?上達への道のりについて

今回は絵を趣味として始めてみたいけど、自分一人で描くのと教室に通うのだと、どちらが上達するのかなと悩んでいる方に教室に通うメリット、デメリットについて紹介していこうと思います。

目次

絵を始めるなら教室に通った方がいいの?

教室に行けば絵が上手くなるか、結論からいえば「あなたがどれぐらい本気なのか」によります。

私の場合は、もともと絵を描くのは好きでしたが決して上手い方ではありませんでした。ですが絵が好きだったのでどうしても美大に行きたいという強い気持ちが根底にありました。そのため、一浪して365日、朝から晩まで絵を描き、鉛筆を持つのも苦痛になるほど絵と向き合うことができました。

なので、上手い下手よりもどれくらい自分が本気なのか。誰に何と言われようと「誰よりも上手くなりたい!」この気持ちがあるか、ないかが一番大切なことだと私は思っています。

今回は美大を目指すわけではないのであくまで趣味の範囲で絵の上達を目指している人に向けて紹介していこうと思います。美大向けはまた気が向いた時にでも。

教室に行く前にマスターした方がいいこと

では早速、絵が上手くなりたいから教室に行こう!
その前に、、ある程度の準備が必要です。

仮に「英会話教室」を例に説明します。あなたは、英語を喋れるようになりたいから英会話教室に行きました。
ある程度の単語や文法の知識がある人が受講するのと、全くのゼロ知識で受講するのとでは授業の理解度もかなり違ってきます。

このように絵も同じで、絵をある程度描いたことがある人が通い始めるのと、絵をほとんど描いたことがない人では、上達にもかなりの差が生まれます。

これでは同じ月謝を払っていても得られる情報や知識の吸収は土台がある人の方が圧倒的に有利です。
なので、教室に通おうと考えているのであれば、ある程度の土台を築いてから通うことをオススメします。

絵における土台の作り方

では土台を作ってからと言ってもどうしたらいいのか。
英語なら単語を覚えたり、文法を覚えたりと、やることが明確ですよね。
実は絵においても明確な土台作りがありますでご安心下さい。

目標の設定をする

まず初めに大事なのが、自分の画力をどこまでにしたいのかという目標をしっかりと設定する必要があります。

その目標というのも、なるべく具体的に挙げると、より自分の目標のビジョンが描きやすいと思います。
例えば、自分が目指したい作風の漫画家やイラストレーター、作家など具体的にこういった絵を描きたいという目標を決めます。

目標にする絵や作家の絵を模写する

次に月並みですが、自分が目標にしようと思っている人の絵を模写することが一番の近道です。
ここで必ずやってほしいのが「観て描く」ことです。

決して、そのまま上から写して描いたりしないでください。
上からなぞって写して描くことは一見、出来上がりは真似ているように見えますが、

「どのようにして、この線とこの線は繋がっているのか」「ここの色はこんな風に描き分けているのか」という、描いている工程をしっかりと自分の手と目で考えながら描くことをしなくなります。

そもそも、なぜ模写をするのかというと、目標にする人の制作の追体験をしていると思ってください。
この追体験をすることで自分の中に絵の描き方がインプットされ少しずつ自分のものとして蓄えられていきます。

なので初めは、上手く描けなくて時間もかかるかもしれません。
ですがこの地道な作業こそが絵を描く上でとても大事なのです。

しっかりと観察する癖をつける

模写の時にも少しお話したしっかりと「観て描く」これは絵を描く時の基本中の基本であり、実はどの絵のジャンルにも精通することなので絶対に心がけるようにしてみてください。

デッサンで一番最初に教わるのが鉛筆の持ち方やカッターの使いかたでなく「モチーフ(対象物)をしっかりとみること」ちなみに、このみるはこちらの「見る」ではなくこちらの「観る」です。
この「観る」実は相当訓練しないと、とても難しいんです。

この「観る」を会得するために私が実際に行っていた訓練を紹介します。

物をしっかりと観る訓練の仕方

例えば、家にあるガラスコップ(なければリンゴやフォークやシンプルなものなら何でもOK)

これを3分間、観続けてください。

「えっ、、3分も??」分かります。長いですよね。ですが、慣れてくると1分ぐらいでこの作業ができるようになります。

この時にコップは手に取っても良いですし、光にかざしてみてもいいです。そのコップの特徴を探してみましょう。
次に今、観た3分間の中で自分が気づいたことを言葉に起こしてみましょう。何個あげられましたか?

10個未満だった人はそれは「観ていない」に分類されます。

硬い、冷たい、上から見ると2mmほどの厚さがある、底には少し気泡がある、軽い、爪で叩くとカンカンと音がする、外側の模様は実は内側にあってそれが外側に見えているなどなど。このようにリアルに物を書く場合は穴が開くほどみて、紙の上に本物がそこにあるように描いていかないといけないのです。

デッサンとは物の細部のディティールまでしっかりと描く必要があるのでモチーフを舐めるように観続ける必要があります。

(HUNTER✖️HUNTER 13巻引用)

私の好きな漫画のハンターハンターでクラピカというキャラクターが鎖を具現化するために四六時中鎖を触ったり舐めたりして鎖と向き合った。と言う一コマがあるのですが、本当にその通りで、触ったり細部までよく観たりすることで自分の中にそのモチーフの特徴をインプットする作業がとても重要になってきます。

これを行うことで、実際に鉛筆で描く時に自分の中にインプットした情報も乗せて描写することでよりリアルな絵に近づけていきます。私はこのおかげでデッサンのモチーフでよく出てくるワイン瓶は、そこに実物がなくても描けるようになりました。それぐらい観ることで頭に細かい表情の全てがインプットされるのです。

余談ですが、私がテレビなどで「この人達絵のスキルがあったらかなり上手いんだろうなぁ」と思うのがモノマネ芸人の方達です。あるモノマネ芸人が「カフェや電車とかの人がいるところだと無意識でずーっと人間観察するんですよねー」と話していたのを見て、確かに誰かのモノマネをしてそれを万人が「いるよね!こいう人!」と共感できるには相当な観察力と、いかにその一挙一動を誇張して面白くするかというかなりの技術と精度が求められる恐ろしい職業だなと感じ、私も見習わなければと思いました。

形を正確に描きとる練習をする

「なぜ、美大の入試にはデッサンがあるのか。」

それは、物の形や色、遠近感を正確に把握して描きとる技術があるのかを見ているのです。

これは絵を描く上で最低限必要なスキルになります。ここでは、美大に行くわけではないのでそこまで肩肘張らずに、形をしっかりと描く練習をするところから始めるてみましょう。

今紹介した、「観察する」「正確に描きとる練習をする」「目標としている作品の模写をする」この三つをひたすら続けてみてください。必ず上手な絵が描けるようになります。

教室に通った方が上達しやすいジャンルってなに?

絵といってもたくさんのジャンルが存在します。
ここでは、その中でも教室で学んだ方がおすすめのジャンルを紹介しようと思います。

デッサン

デッサンはまさに教室に通わないと、なかなか会得するのは難しいジャンルだと思います。
鉛筆や木炭の使い方や濃さの違いの使い分け、ガーゼや練りゴムを使った小技などなど、かなり描き方も独特なので教室で教わることをオススメします。

私がデッサンが描けるようになって良かったなと思う点は、物の捉え方や影の有無など日常生活の見え方が変わってくるので面白いです。あとは、モノクロカメラでの撮影も上手になります。なぜなら、デッサンは白黒で色の描き分けをしないといけないのでパッと見ただけで、頭の中でカラーのものを白黒に置き換えることが可能になります。

油絵や版画といった専門性の高いアート

水彩画や油絵、版画などは制作時に部屋が汚れますし、道具や画材の使い方など専門的な部分が多いジャンルなので独学でやるよりは教室に行った方が早く習得できるので教室に通うこうとをオススメします。また、教室ならモチーフ(描く時の対象物)もありますし、イーゼルなどの道具類も貸してくれるので一から道具を揃えずに始められます。

反対にイラストやデジタルアートなどはYouTubeなどでもたくさん絵の描き方などを紹介しているのでそういった動画を見ながら家でひたすら模写したり反復練習をするのが良いと思います。

教室に通っても続かない人

最後に、私が実際に教室に通っていて感じた教室に行っても続かない人の特徴を紹介します。

上手く描けないから辞める

圧倒的にこの理由で辞めてる人が多いのではと思います。

そもそも、なぜ教室に通う必要があるのか。それは集中できる環境で、その道のプロに教えてもらいながら他の人と切磋琢磨して上達することができるという、一人では得られない教室ならではの利点があるからだと思います。なんだ、良いことしかないじゃないか。これなら地道に家で一人でやらなくても教室に通った方がいいじゃないか。と思った方もいるのではないのでしょうか。

ですがこれは逆を言えば教室にいくということは「他の人にも自分の絵を見られる」ということです。

何が起こるのか。

無意識に自分よりも上手い人の絵と自分の絵を比べてしまい、自分には絵を描く才能がないんだと自信を失い辞めてしまう人がとても多いのです。これが続かない一番の理由です。

下手なのだから教室に行こうと思っている訳ですから、そこを比べても仕方がないということを覚えておいてください。
むしろ上手い人はどうやって描いているのかをしっかりと見て、描き方などのスキルを全て盗むぐらいの気持ちで望んで下さい。それが教室に通う最大のメリットであり、上達への近道です。

ちなみに私はデッサンの時は必ず、一番上手い人の後ろの席を座るようにしました。
なぜなら上手い人の描き方を盗める絶好の場所だからです。ハングリーであればある程、何事も上達します。

まとめ

今回は教室に通った方がいいのか、絵が上達するには?といったことについて紹介しました。
結果としては、家で自主練をして教室で描いて実践をする。これが上達への近道です。

読んでいただけると分かると思いますが、絵を描くのはとても地道で面倒臭い作業を根気よく続けなければいけません。
もちろん、ここまでしなくても教室の人たちと和気藹々と楽しむのも教室の魅力の一つだと思っています。
なので、あなたがどれくらいの本気度かで土台づくりをしてから教室に通うのか、教室で一から学ぶのかを選択しましょう。

正直にいって、絵が描けなくても生きていく上で何の不自由もありませんし、英会話教室や料理教室の方が生活の中で役に立つと思います。
ですが、私が実際に絵を描けるようになって一つ言えるのは、絵が描けるようになってくると、生活がより楽しく、明るくなります。絵や音楽もそうですが人生を楽しくしてくれることはとても大事なことだと思います。

また、絵が描けると、とても重宝されます、必ず誰かしらに「絵描いて!」とお願いされます。
是非自分のために素敵な作品を作ってみてくださいね!

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