バンクシーを知っていますか?
名前は聞いたことあるよ!という方も多いのではないのでしょうか。一時ネットや、テレビでバンクシーのニュースをやっていてちょっとしたバンクシーブームが起こっていました。私もそのニュースを見て何やら覆面アーティストで街中の壁にゲリラ的に作品を作り世間を騒がせているらしい。ふーん。。と思っていたぐらいなのですが、
こちらの展示、めちゃめちゃレビューが良かったので近いし行ってみるか。ぐらいの感じで行ったのですが想像以上に面白かったので紹介したいと思います。
まだの方は絶対に行ったほうが良いです!楽しいのでオススメですよ!!
ASOBUILD アソビル
横浜駅直通のエンターテインメントビル
アソビルは様々なテーマで、新感覚のエンターテインメントコンテンツを体験することが出来る複合型体験エンタメ施設となっています。こちらのアソビル、すぐ隣には横浜中央郵便局があるのですがその郵便局の別館部分をリノベーションされて作られた施設なのだそうです。
B1〜5Fまでの各フロアに様々な体験型の施設が入っており、今回の展示以外にも大型の「脱出ゲーム」や、飲食店、フットサルが出来るコートまである一日中楽しめる施設となっています。横浜駅から徒歩2分という立地の良さ!休日のちょっとしたお出かけにも最高ですね!
行く前に知っておきたい注意事項
チケットはオンラインでの事前購入
チケットの購入は完全予約制のオンラインでの事前購入となりますのでご注意ください。
当日ふらっと行って作品を鑑賞したいのにと言う方には少し不便かもしれませんが、予約制を導入することでコロナ感染防止と、混雑緩和による快適な鑑賞をすることができます。なので土日などの通常の美術館だと混雑するような日でも、定員数が決まっているのでゆっくりと作品と向き合うことが出来るのは良い点だと思います。
購入後はメールアドレスにQRコードが届くので当日はそのQRコードで中に入ることができます。ちなみに、私がよくやるのが万が一ネットが繋がりにくい時用に一応QRコードの画面をスクショしておくと安心ですよ。
アプリから作品解説が楽しめる!
こちらの音声ガイドアプリをインストールすると作品の音声ガイドを無料で聴くことができます。通常ですと、音声ガイドは美術館の受付で有料で貸し出しをしているところがほとんどなのですが、自分のスマホで聴きながら作品を鑑賞できるのはとても画期的だなと思いました。
音声ガイドだとキャプションをわざわざ読み必要がないので(キャプション周りは結構混むんですよね。。。)一つ一つの作品をに集中することが出来るのが良いと思います。
全作品写真撮影がOK!
今回も写真撮影がOKです!!
これからはなんでもオープンな時代になっていきますね!
SANKSY(バンクシー)とはどんな人?
謎に包まれたアーティスト
イギリスを拠点に活動する匿名の芸術家。世界中のストリート、壁、橋などを舞台に神出鬼没に活動しています。美術界においてバンクシーは、社会問題に根ざした批評的な作品を手がけるアーティストとして評価されている他、テーマパーク、宿泊施設、映画の制作など、その活動は多岐にわります。
ただこういった展示においてバンクシーと連絡を取ることができる人がいるらしく彼らも正体がわからないらしいです。本当か嘘か分かりませんが、こういったミステリアスな部分もバンクシーの人気の一つかもしれませんね。バンクシーに迫ったドキュメンタリー映画や本も多数出ているので気になる方は是非チェックしてみてください。
バンクシーの作品の特徴
ステンシルによる最速アート
ウォールアートにおいてステンシルという技法は(あらかじめ作られた型の上からスプレーなどで色を付ける技法)軽視されている技法なのですがバンクシーは覆面アーティストとして絶対に人に見られてはいけないと考えた結果、出来るだけ時間のかからないステンシルといういう技法を使うことにしたのです。まるでルパンだ。。
一躍有名になったサザビーズでの切り刻み事件
こちらの動画をご存知でしょうか。彼の作品を世界的に有名にしたと言われているこちらの「切り刻み事件」
世界最古の国際競売会社と言われているサザビーズでバンクシーの作品が落札された直後にシュレッターが起動するように作品に細工したのです。この作品の落札価格は日本円にしてなんと1億5463万8497円。展示ではこちらの作品にシュレーッターを細工する様子も動画で展示さています。
「アートは、一部の富裕層が所有したり、金融商品のように売買したりするものではない」という、ストリート・アートを20年以上続けてきたバンクシーがオークションで高額売買することへの反論であったと言われています。私もこの映像を見た時には、なんと前衛的なアーティストなんだと。。ただただ驚いていました。
なぜこれほどまでに人気なのか
匿名であるがため人の興味を掻き立てる
よくできてるなと思ったのが、今のSNS社会に最高にマッチしているのではないかということ。先程も触れましたが、バンクシーの正体は謎に包まれています。一人なのか、はたまた複数なのか。この正体の分からないという状態は人の興味を掻き立てますのでSNS上ではその憶測だけが飛び交う状態に。
しかもバンクシーは正体不明にも関わらず、インスタで新作の発表を行っています。(バンクシーのインスタはこちらから@banksy)まさに、SNS上では作品だけが一人歩きをしている状態なんです。
ストリートアートを芸術の一つと世間に認めさせた
ストリートアートとはその名の通り、街中に絵を描くことなのですがお気づきかもしれませんがアート以前にこれって、落書きと同じ扱いになるんです。そもそも公共のものに絵を描くって器物損壊罪という歴とした犯罪です。ですが、バンクシーの「アートは、一部の富裕層が所有したり、金融商品のように売買したりするものではない」という思いが、周囲にも認められ、今や、1億越えの作品を生み出すアーティストにまでになったのです。
今までの固定概念や、人の気持ちを変えたりするにはこれくらいのリスクが必要なのかなと思いました。(本当は犯罪なのでやってはいけませんが。。)
ゲリラ的であるが故に街中で宝探し状態に
超大物有名人のゴシップ記事を探し回るパパラッチととても似ているのですが、バンクシーの最大の特徴でもある作品がゲリラ的であること。いつどこに作品が現れるか分からないので運よくその作品を見つけられたら街中で我先にと奪い合いが起こるほど。またストリートアートということもあり、すごい人になると壁ごと破壊して持っていく始末です。これにより、毎回警察が出てきたりと街中は大変なことに。なんとも海外らしいですね。。
世界を震撼させたバンクシー作品が日本に初来日!!
前置きが長くなりましたがここからは本題の展示の紹介をしていこうと思います。
こちらの展示は、消費、政治、抗議といった各テーマごとに作品が展示されています。完全予約制にも関わらず、結構混んでいましたので、もしかしたらテーマごとに作品を観るのが難しい場合もありますので順不同で空いてる作品から鑑賞しても全く支障はないのでテーマは参考程度に認識してもらえるといいかなと思います。
アートスタジオ
展示室に入ってまず目に入るのがこちらのスタジオを再現したもの。覆面アーティストとして活躍しているバンクシーの正体を知る者は少なく、様々な憶測だけが飛び交っています。こちらのスタジオはバンクシーの数少ない映像や写真を参考に再現されたものです。
ちなみに私の予想はパトロンめっちゃいそうなので制作設備の整った綺麗なところで制作してそうな気がします笑。
シルクスクリーンによる版画
先ほど、バンクシーのステンシルアートの説明を少ししたのですが、今回の展示は、ステンシルアート以外にもシルクスクリーンを使った作品が多数展示されています。(シルクスクリーンとは版画の一種でよくTシャツやトートバックの絵に使われています。)バンクシー のシルクスクリーン作品はなかなかレアで、実際にバンクシーに作品依頼をして制作されたものが展示されていますのでコレクターしか拝めないものが展示されたいますので必見です!
作品をいくつかご紹介!
ボム・ラブ
1998年、バンクシーは爆弾を抱えた少女を描いた最初のステンシルをブリストルで制作しました。こちらの作品は無邪気さと純粋さ、そして戦争の恐ろしさを象徴しています。
バンクシーはこのイメージが気に入り、その後も頻繁に複製します。この作品を通してバンクシー が伝えようとしているのは、「愛は戦争を超越する」ということです。
ここに描かれた少女は、巨大な爆弾を、まるでテディベアを抱きしめるかのように抱えている。その愛情あふれる腕に包まれれば、どれほど強力な爆弾さえも無力化できるかもしれない。つまり、戦争には力などなく、ポジティブで正しい行動だけが勝利をもたらすことができるのです。
恋愛に限らず、友情や家族を思ったり、他の人に思いやりを持つことがバンクシー の言う愛の力なのかなと思いました。愛って本当に偉大ですね。。
ラフ・ナウ
こちらの作品はブライトンにある人気のナイトクラブからの注文で制作された作品。もの憂げなサルが描かれており、彼らは「いまは笑うがいいさ。でもいつかは俺たちがやってやる」という標語付きの広告をぶら下げています。
バンクシーは猿やネズミを特に気に入っており、作品でよく用いられています。
バーコード
この作品はバンクシー の初期作品の一つと言われており、2004年に版画としてはじめて制作されました。
バンクシーはこの作品の他にもバーコードを使った作品を制作しており、バーコードが私達の暮らしに、しっかりとその役割を果たしており、消費者がすばやく買い物の支払いをするのに役立っている。また、消費社会を批判や揶揄の普遍的なイメージとなっています。
はたして私たちは、消費の檻から逃げ出したこの肉食動物を恐れるべきなのだろうか。それとも、この動物は消費崇拝に支配されることのない稀有な人間を表しているのだろうか。バンクシーは見る人に自由に解釈する権利を与え、自分で決めるよう促しています。
近くでみると、所々にスプレーの飛沫した表情がみれてステンシルで制作されているのがよくわ分かります。
ザ・ウォールド・オフ・ホテル
こちらの作品は、2017年3月にバンクシーがオープンした「ウォールド・オフ・ホテル(壁で分断されたホテル)」の一室を再現して作られたものです。
このタイトルは、ニューヨークのおしゃれな高級ホテル「ウォルドルフ=アストリア」の名前を皮肉ったものです。「ウォールド・オフ・ホテル」があるのは、パレスチナ自治区内。イスラエル政府がパレスチナとの間に築いた隔離壁のすぐ隣に建っており、バンクシーによると、このホテルからは「世界一悪い眺め」が望めるという。これは単に彼の創作プロジェクトであるだけでなく、この地域の緊迫した課題に対する政治的声明でもある。隔離壁は、イスラエルをテロリストから守るという目的で2003年に建設されたものの、パレスチナ市民のことを考える者は誰もいなかったのです。
このホテルがターゲットとしているのはイスラエルからの観光客。隔離壁のそばで暮らすことがどのようなもので、パレスチナ人にとってそれがどれだけ苦痛であるかをバンクシーは伝えようとしたのです。しかし問題は、イスラエル人が自治区に滞在することが禁じられていることだったのです。
ホテルには、20点を超えるバンクシーの新作と共に、パレスチナ人アーティストの作品が複数展示されています。
バンクシーはパレスチナ問題に世間の目を向けさせようとしており、その手段として、彼の最大の抗議テーマの1つである消費主義を用いています。
ノー・ボール・ゲームス
バンクシーは、この作品を2009年にロンドンで描きました。2人の子供が「ノー・ボール・ゲームス(球技禁止)」と書かれた標識で遊んでいるものです。この作品は一種の反抗を示しており、現実にはここに遊び場はないのですが、彼らはこの標識をおもちゃとして使っていると言うもの。
近くで見ると印刷のドットの感じが素敵です!!
グラニーズ
バンクシーはピンクを背景色に使い、ペプトビスモルというイギリスで広く使われている市販の胃腸薬の色と同じ色彩で、2人のおばあさんを描きました。どうやら2人は、日課である編み物にいそしんでいるようです。しかし、彼女たちの編んでいるセーターには、定年後の平穏な日々とは程遠い言葉が書かれています。「パンク・ノット・デッド(パンクは死んじゃいない)」と「サグ・フォー・ライフ(我が道を行く)」のフレーズは、パンクとヒップホップという2つのサブカルチャーの代名詞。おばあさんたちは穏やかな笑顔を浮かべています。それを見ているうちに、このような控えめなやり方でマス・カルチャーの基盤を揺るがしていることに、どうやら2人が満足しているらしいことが分かってくる作品です。
監視カメラ
イギリスで人間が監視カメラに映る回数は、1人1日当たり平均300回。そしてカメラの設置数は2007年の時点で420万台に達しています。これは世界中の監視カメラおよそ20%に相当する値なのだそうです。政府当局はこれほど大量のカメラを必要とする理由について、法執行機関による犯罪検出を支援するためと主張。しかし、監視カメラの映像で解決した犯罪は、わずか3%に過ぎないのが実情なのだそうです。
バンクシーは監視カメラがいかに無意味なものかを皮肉っていました。確かに3%は低すぎる。。
グッズショップ
こちらの図録、中身は一緒なのですが本のデザインが赤と白の二色展開!凝ってる!
こちらはバンクシー関連の書籍がずらりと置いてあります。こんなにあるんだ!と驚きです。
iPhoneケースもストリート系のデザインでバンクシー らしさが出ていますね。
Tシャツは白と黒のシンプルカラーです。
トートバックもいいですね、エコバックに良さそうな大きさです。
まとめ
面白かったです!そして作品数もかなりのボリュームで物足りなさもなく大満足の展示でした。この展示をみる前まではバンクシーって人目につくとこに絵を描いてそれで周りが面白がっもてはやされている感じの人だと思っていましたが(ファンの方すいません、、)作品一つ一つのコンセプトだったり今の社会を皮肉ってるところが政治家の演説よりも人の心にダイレクトに刺さっていて、一つの作品でこんなにもたくさんの人に伝わるすごいものなんだと改めてアートの凄さを垣間見た気がしました。
アートって面白い!!
アソビル
住所 神奈川県横浜市西区高島2-14-9 アソビル
開館時間 10:00〜22:00
休日 フロアーにより異なる
料金 1,800円
美術館詳細はコチラ