【銅版画の作り方 技法 その5】細かい表情も綺麗に出せる 秘儀!雁皮刷り(がんぴずり)の仕方




雁皮(がんぴ)刷りとは
▲雁皮紙




なぜ雁皮刷りをするのか

細かい部分の描写も綺麗に表現できる
和紙を重ねることによって細かい部分の描写を刷りとることができます。
作品の見栄えが良くなる
インクの黒、紙の白、この雁皮紙の黄色と、色が一色増えることで普段の作品とは異なるまた別の良さが出てきます。


用意するもの
用意するもの
・銅版(すでにインクを詰めた状態のもの)
・雁皮紙
・のり
・水を張ったバットなど
前回の版を使って刷っていきます。
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雁皮紙の切り方
雁皮紙に当たりを付ける
版の上に雁皮紙を重ね、鉛筆で当たりを付けていきます。この時に、少し内側に当たりを付けます。

このように繊維の方向に矢印をつけておきます。(のびる方向が分かるように)
雁皮刷りの仕方
雁皮紙を水の中で重ね合わせる
先ほど切った雁皮紙と版を水中で重ね合わせます。
そーっとすくい上げます。とても見にくいですが版の上には雁皮紙がのっかっています。
一見、簡単そうに見えますが、雁皮紙がとても薄いのでヨレたりズレたりしないように版の上にのせるのは難しいです。。これは、回数を重ねて上達するものなので初めのうちは上手くできまいかもしれませんが根気よくチャレンジしてみてくださいね!


余分な水を拭き取る
次に、表面の余分な水を拭き取って行きます。
このように上から押し付けるように水を拭きとっていきます。

糊を塗る
この秘伝の糊を刷毛を使って雁皮紙全体に塗っていきます。



全体にササッと塗ります。
先程の水と同様、余分な糊を拭き取ります。


雁皮紙と糊が綺麗に重なっています。
刷るとこんな感じ
綺麗に刷れました!
刷る時には糊がついているので慎重に紙を置きましょう。
前回のスピットバイトのものと比較してもその差は一目瞭然。
雁皮紙の黄色い色合いがまた違う雰囲気で味が出ています。
近くで見ると、細かいエッチングの線や、スピットバイトの淡い濃淡もしっかり刷り取れています。
まとめ
今回は、雁皮刷りについて紹介しました。少しテクニックのいる技法ですが、ただ和紙を貼っているだけなのに作品の完成度もグンと上がるのでおすすめです!一度刷った作品と和紙を一緒に刷るだけなのでお気に入りの一枚で試して見てくださいね!
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