今回は、よく質問にもらう「銅版画が出来上がるまでどれくらいの時間がかかりますか?」に答えていきたいと思います。
でも具体的にこれくらいっていうのが分かりにくいよね
そうだね、しかも制作のスピード感って人によって全然違うし
一概に「このくらいです!」って言えないよね
銅版画完成までの流れ
というわけで普段のおまつの制作時間を、まとめたからみていこうか!
いいね!
今回は普段私がよく作るA4サイズの制作時間を参考にまとめています。あくまで一個人の作業時間として参考までにご覧ください。
アイディア出し
まず初めに、どんな作品にするのかのアイディア出しをします。その際に「ここの表現はこの技法がいいかな、そうするとこっちの表現も同じ腐食でいけそうだな」と、どの技法を使って作るのかも一緒に考えます。
これをしないで作品を考えると、銅版画で作る際に迷ってしまったり、結局できないという事態が発生します。なので、この段階で彫る順番や腐食工程などの段取りを決めておきます。
下準備
銅版にプレートマークを作り、裏にカッティングシートを貼ります。
特に腐食する場合は必ずカッティングシートを貼るのを忘れないようにしましょう。
銅版の作成
下絵ができたら銅版に起こしていきます。銅版画はこの版を作る作業が大半を占めており、この版作りで作品の完成度が決まります。なのでこの工程は全集中で作業をしていきます。
インク詰め・拭き取り
銅版が出来上がったらインク詰めをし、拭き取りをします。
特に拭き取りは、とても難しく熟練度が問われるので根気よく練習して手の感覚で覚えるようにしましょう。
ローラーで刷る
インクが詰めが終わったらローラーにかけて刷ります。これは、ローラーにかけるだけなので特に頑張る必要はないです。はい。
完成
銅版は一枚あればたくさん刷れます。友達に渡すもよし、お金を稼ぐのもよし、銅版画をたくさん刷って拡散しましょう。
版を作るのに時間がかかる
この工程を見ていただくと分かると思うのですが版を作るのが一番時間がかかります。
また、直接技法なのか間接技法を使うのかでも変わってきます。
直接技法はドライポイントやメゾチンとのように言葉の通りニードルなどで直接、版を彫って描いてきます。なのでその作品の図柄のデザインにもよりますが私の場合は、30分から1時間ぐらいで彫ります。もちろん人によっては3〜4時間かかる場合もありますのであくまで私の場合です。
それ以外の技法は間接技法に属します。間接技法は腐食液を使って銅版を酸化させて彫ります。
腐食時間は一回10分〜15分が目安。
そこからさらに濃度を濃くしたければ15分、30分、ディープエッチングという技法になると1時間から半日、人によっては丸一日みたいなこともあります。ちなみに丸一日腐食液に漬けると銅版は穴が空きます。なので滅多にこれをやる人はいないです。
ちなみに私の場合は、多くても30分ぐらいがほとんどです。ですが、これは一つの技法だけを使った場合の所要時間です。実際作品を作るとなると一つの技法だけで完結させるといったことはほとんどないので、1時間強はかかると思います。
なんだかんだトータル3時間くらいだね。
そうだね、割と早いかもね。人によっては10時間とか20時間かかるからね。
まとめ
今回は銅版画作りの大まかな流れと所用時間をまとめました。
銅版画を作ったことがない人からしたら「どのくらいの時間で、どうやって出来上がっているの?」と疑問に思いますよね。
私の場合は集中力がもたないのと、あまり一つ作品に向き合っていると飽きてしまい途中で作るのを辞めてしまうので、いつも2~3時間という超爆速で一つの作品を作っています。これはかなり稀みたいですよ笑。