【銅版画の作り方 技法 その1】銅版画の基本エッチング(etching)と腐食をやってみよう!




エッチングってどんな技法?

防食の仕方
グランドを塗って防食します
グランドと言う防食液を銅版に塗っていきます。


用意するもの
・液体グランド
・リグロイン
・銅版
・刷毛
・グランドを入れるお皿
塗るとこんな感じになります。
グランドはベタベタした感じの液体なので銅版に塗る時はサッ、サッっと塗っていきます。


裏から熱して表面を乾かす
表面にグランドが塗れたらアルコールランプで裏から熱して表面を乾かします。
用意するもの
・グランドを塗った銅版
・アルコールランプ
・金網(あると便利)
・軍手(火傷しないように)
まんべんなく乾かしていきます。


乾くとこんな感じになります。



ベビーパウダーで表面をサラサラにする
グランドにもよりますが、全体に熱してみても表面が少しベタつくようでしたら表面にベビーパウダーをかけてサラサラにします。これにより、エッチングをしやすい状態にします。

エッチングをやってみよう!
用意するもの
・グランドを塗った銅版
・ニードル(削れるものなら何でもOK)


こんな感じでひたすらニードルで描画していきます。
筆圧が強ければ強い程、線が濃くなります。
紙に描くのとは違い、どのくらい描けているのか目で見てもなかなか分かりいくので、ある程度描き終わったら一度刷ってみて確認します。銅版画はこの彫る→刷るを何回も繰り返して一つの絵として完成します。
腐食の仕方
腐食液に漬け込む
ある程度、彫れたら一度腐食して刷れる状態にします。
この桶の中に腐食液と呼ばれる液体が入っています。
体に有害な薬品なので漬ける時は必ず手袋を着けて作業を行います。


腐食の原理について
ニードルによってグランドが削られた部分のみ、腐食されます(イラストの青い部分)。
腐食時間が長ければ長い程、ニードルで削った溝の部分が深くなるので色が濃くなります。
作品をどうしたいかにもよりますが最初の漬け込み時間は5分〜10分ぐらいで一度刷ってみて様子を見ます。




グランドを洗う
腐食できたらホワイトガソリンでグランドを落として版を綺麗にします。


刷ってみます
こんな感じになりました!
これで更に色を濃くしたりしたければ、またグランドを塗って最初の工程を繰り返します。
刷り方の説明はこちらの記事から
まとめ
今回は基本的なエッチングという技法と腐食について紹介しました。
エッチングは初心者の人にオススメしたいとても扱いやすい技法なのでぜひ試してみてください。また、グランドを塗る際に私の場合は刷毛を使ってグランドを塗りましたが、この他にも「流し引き」と言う方法もあります。
要はグランドで銅版を覆えれば良いので、どの方法を使うかは人それぞれ、自分に合うものを使ってみてくださいね。
コメントフォーム