美大生はみんな油絵を描いてると思ったら大間違い。色々あるよ、学科紹介!

世間の美大生のイメージは「ハチクロ」

久しぶりに、中学の友達と飲んでいた時の話。

ある日、友人に「美大生ってハチクロみたいに油絵描いてるんでしょ!かっこいいね!」と言われ、「いや、全然ハチクロじゃないし、油絵なんて描いたことないけど。。」と答える私。このやりとり何回目だろう。。

当時、世間ではハチクロが流行っていました。「ハチクロ」とは美大生の切ない片思い、青春を描いた大ヒット漫画「ハチミツとクローバー」です。映画やドラマにもなり、嵐の櫻井翔くん主演、ヒロインが蒼井優ちゃんだったこともあり、美大生が恐ろしく美化されて描かれています。なので世間の人は美大生=ハチクロのイメージがついてしまったのです。

油絵は基本、油画科(ゆがか)しか描かない

「美大生は油絵を描いているんでしょ」美大生じゃない人に会うと必ずと言っていいほど言われます。なぜ、これほどまでに美大生は油絵を描いているイメージがついているのか。

ハチクロはむしろ世間の美大生=油絵描いてるイメージが強すぎてヒロインの子を油画科設定にすることで、美大のことをあまり知らない人が読んでもイメージしやすいようにしたのではないかと思っています。

確かに考えてみると、油絵が一番美術的に分かりやすいジャンルなのではないか。そので今回は、美大の油画科以外のジャンルの紹介をしていこうと思います。これを機に、油絵意外にもたくさんのアート分野があることを知ってもらえれば嬉しいです!ちなみに私はデザイン科だったので油絵は描いたことがないです。

美大の学科紹介

大きく分けると美術系とデザイン系の二つ

美術系とデザイン系のこの二つに分かれます。
美術系は油絵を初め、日本画、版画、彫刻、工芸など、いわゆるファインアート(純粋芸術)と言われ、芸術家や作家を目指す人が多いです。ただ、卒業して作家として成功する人は本当に一握りの人達でほとんどの人が卒業後は普通の一般職につくことが多いです。私の知り合いの日本画の子も絵がめちゃくちゃ上手いのですがアパレルのショップ店員になっていて現実はとても厳しいと言っていました。

美術系の学部

油画 主に油絵具でキャンパスに描き作品を制作します。
日本画 岩絵具、紙、筆、墨など日本伝統の素材や技法を学び、表現します。また、伝統の継承だけでなく、そこから新たな表現を生み出し創造性を伸ばします。
版画 木、銅、アルミなどの版を使って多彩な表現を生み出します。日本古来の浮世絵から現代アートまで、表現の幅を広げていきます。
彫刻 石、金属、木、土、FRPなど身の回りのあらゆるものを彫刻、または加工をし、作品を制作します。
工芸 陶、ガラス、金属などの素材を加工し表現する技法を学びます。地域に根付く日本古来の伝統工芸品を学んだり、継承者育成も行います。
先端芸術表現 いわゆる現代アート。絵画、写真、映像などの美術領域に加え、身体、音楽、コンピューターなど様々な表現の基礎を学び、最先端の技術表現を学びます。
芸術学 実技を通して表現技法や素材への認識を高め、展覧会やメディア企画などの実践を通して美術・芸術を世界に発信する人材を育成します。

反対にデザイン系は、作家や芸術家ではなくデザイナーを目指す人が多く、グラフィックデザイン、プロダクトデザイン(インダストリアルデザイン)、テキスタイルデザイン、メディアデザイン、建築デザインなどデザインの力を使い社会をより良くしていくことを目的にしています。なのでデザイナー志望の人は、絵も描けないといけないのですが、それ以外にもクライアントにプレゼンをし、いかに自分のデザインが良いのかをアピールしなければいけません。なので人前でしっかりと自分の意見を言えることと、クライアントを説得する巧みな話術が必要になります。

これは回数を重ねていくしかないのでデザイナーになったら否が応でも慣れると思います。

デザイン系の学部

グラフィックデザイン 商品のパッケージやポスター、広告などの平面作品のデザインが主。造形力・描写力の育成、写真やコンピューターの利用なども学びます。
プロダクトデザイン 家電屋、家具などのあらゆる商品、製品をデザインする分野。機能や形、生産・製造の知識など多くの観点を学ぶ必要があります。
テキスタイルデザイン 服飾デザイン、ファッション関連のデザインを勉強します。日本に根付く手業の染色技法から、現代の表現まで、布に関して幅広く学びます。
建築デザイン 美大ではより美的価値の高い建物を設計・デザインできる建築家を育成します。
環境デザイン インテリア、住宅、店舗、公園、都市など、人間が暮らす空間全体を設計・デザインします。建築より大きな視野で物事を考えていきます。
情報デザイン 生活の中にあふれる無数の情報を的確に伝えるため、CGや映像などのメディア制作、プログラミング、ウェブデザインなどを学びます。
視覚伝達デザイン 人に思いを伝えるため、感性を磨き、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を駆使して様々な形でメッセージを伝える力を身につける学部です。

授業は具体的に何をするのか?

各美大によって学科の名前は少し違ったりしますが、「へぇー、油絵以外にもこんなにたくさんの学科の種類があるのか〜」、と分かったところで次に「授業は具体的に何をするのか」を紹介しようと思います。

デザイン科の場合

結論からいうと、これも各科によって異なります。例えばデザイン科であれば主にパソコンでの制作になります。クリエイティブ系御用達のソフトといえばAdobeなのですが、PhotoshopやIllustratorを使いデザインをし、プレゼン用の資料を製作し発表をします。時には、平面以外にもデザインのプレゼン資料として必要であれば立体物を作ります。ちなみに、私のいたプロダクト(インダストリアルデザイン)は主に、家具や家電などの立体物のデザインをする科なので、PhotoshopやIllustrator以外にも3Dのソフトを使えないといけませんし、立体作品の提出も必須でした。また。テキスタイルデザインは(ファッションなどの服飾系のデザイン)機織りで布とか織っていて、その布を使って服とかを作っていました。なのでデザインと言っても本当に多種多様です。

美術系の場合

次に美術科はというと、こちらは自分の作品をひたすら作り、発表します。油画科ですとハチクロみたいに油絵を描いていますし、彫刻科なら彫刻をひたすら彫っています。あと、アトリエと言って大きな作品を作るスペースが各自設けられており、そこでは自分の作品を制作保管できますので大きな作品を制作している人はよくそこで寝泊まりしていました。

またデザイン科と違い、パソコンは使えなくてもほとんど問題ありません。(就職を考えているなら使えた方が良いですが、、)それより何より自分の世界観をいかに作品に投影できるかがとても重要になってきます。なのでデザイン科のようにいかに周りの人に自分のデザインをわかってもらえるのかよりも自分との戦いという感じです。それはそれで辛いんですよね。デザインのように答えがあるわけでなないので。。

国語や英語や体育もあるの!?

なんと、実はただただ毎日作品を制作していればいいやーという訳でもなく、国語や英語、体育といった一般の授業もあります。意外にも必須科目だったりするので課題の作品制作に追われていると結構こういう授業の単位を落としたりして留年している人も稀にいました。

また、普段同じ科の人たちといることが多いので、なんとなく考え方がかたよってくるのですが、こういった授業の時は他の学科の人と合同だったりするのでいろいろな人に会えるので結構楽しいです!

最後に学科ごとのあるあるを紹介します。

デザイン科あるある

キャンパス内のカフェでMacBookで作業しがち

特に、デザイン科全般に言えますが、パソコンはMacBookでないとデザイン科として認められない風習がありました。そしてデザイナーという言葉に酔っているので常にオシャレで奇抜な物を持っています。ちなみに私はもともとWindowsユーザーで今はMacを使っていますが、特にMacだからWindowsだからのこだわりは全くありませんでした。

実際にデザイナーになり働いてみて、現場で思ったことは会社はWindowsが多めで、デザイン事務所はMacをほぼ使うので結果、両方の操作が出来た方が良いということです。

ちなみに、なぜデザイナーはMacユーザーが多いのかというと、Macの方が細かい色味の調整ができたり、印刷したものとパソコン上で見たときの色の違いがあまりなかったり、処理速度が早かったり、あとは単純にMacの見た目がかっこいいからと、言われていたので(今はどっちでも性能が良い気がします。)デザイン業界ではMacを使うことが多いです。

反対に会社で使う場合にはExcelやPowerPointといったオフィス系のソフトを使う部署が多いのでデータのやり取りをする都合上、Macで作ったデータが開けなかったりバグったりと色々とやりとりができないことがあったりするのでWindowsで作ることが多かったです。

美術科あるある

変人が多い

美術科の人はデザイン科よりもさらに自分の世界観を持っている人が多く、普通に話していてもたまに、本当に何を言っているのか分からない人がいました。(もちろん普通の人もいますよ!)デザイン科の教授でさえ、「美術科は変人の集まりだ」と言っている人がいた程。ちなみに、美大における変人とは最大の賛辞です。美大生は日夜、自分のカラーを作品に確立させることに奮闘していますので少々変わり者でも、自分の世界観を持っている人が最強なのです。

ただ、変わり者であるがゆえに、社会人として就活するには少し苦労します。そのため、作家になる人が多く会社務めは向かない人が多いです。ただ作家として成功したら偉人扱いです!

まとめ

今回は美大の学科について紹介しました。美大と言っても科によって人の性格が全く異なるので在学中は本当に楽しかったです。ただ社会人になると世間からは変人みたいに見られることが多く、美大は入るのはとても大変なのに卒業してからも、さらに大変なので日本の社会がもう少し美大生に優しい社会になるといいなと切に願っています。

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