試験中に席を立ったり、カンニングなんて当たり前!? 意外に知られていない美大受験の話

試験中に席を立ったり、カンニングなんて当たり前!? 意外に知られていない美大受験の話

ある日、友人と大学受験の時の話になった。

(友)「そういえば、美大受験ってどんな雰囲気なの?普通の大学受験とは絶対違うでしょ?」

(私)「雰囲気か・・そうだね、、デッサンの時は普通に席から離れて立ち歩いたり、カンニングとかできるよ。。

(友)「えっっ、試験中でしょ? そんなことしたらダメでしょ。」

(私)「あっ、うん、あ、違うよ、いや違くはないんだけど、、」

厳密に言うと見たくなくても見えてしまうんだよね、これが。ここからは美大受験の時のお話。

美大受験には筆記試験と実技試験がある

まずは、簡単に美大受験について説明しますと、美大受験には主に筆記試験と実技試験の二つがありその総合点で合否が決まります。筆記試験は二教科を選択して受験します。国語は必須なのですが、その他の英語や数学や理科などは選択制なので自分の得意な教科を選んで受験することがきます(受ける大学によって多少異なる)。

次に実技試験。こちらはほとんどの場合が鉛筆デッサンと、もう一つ絵を描く試験があります。各科ごとに変わりますが、私の場合はデザイン科だったので色彩構成という絵具で絵を描く試験が出されました。

先程、筆記試験と実技試験の総合点で合否が決まると言ったのですが、実際のところは実技試験が7割で筆記は3割でも受かると言われていたりします。(あくまでも噂ですが。。)美大に入るわけなので、正直勉強ができていても絵が上手くなければ入ることは出来ないのだと思います。

実技試験はカンニングできる

ここからが本題のカンニングについて。筆記試験においてはカンニングはできません。見つかったら即退場ですので絶対にしないでください。

ですが、実技試験の場合はモチーフを囲んで受験生が椅子に座って絵を描きます。そのため、カンニングするというよりは、厳密に言うと見たくなくても視界に入ってしまうのです。
でも試験中なのに他の人の絵が見えてしまっても大丈夫なのか? そう思った方もいるかもしれませんが実は、実技試験でカンニングできたところで筆記試験のように有利になるのかといえば全くそんなことはないのです。

カンニングできても意味がない

例えば、英語や国語のテスト中にカンニングをしてしまったら、そのカンニングした答えをただ回答欄に書くだけなので誰でも出来ます。

ですが、絵の場合どんなに上手い人の絵が見えたからといって「じゃあ、その通りに自分も絵を描くことができますか?」と聞かれれば、それは本人にそこまでの絵を描くスキルがない限り無理です。ですので、見えたところでほとんど意味はありません。

ですが、カンニングされる側が絵がうまければ上手いほど、相手に与えるダメージは計り知れません。

上手いと相手は戦意損失する

私は当時、一浪だったので現役の時にすでに美大受験の流れや現場でのなんとも言えない緊張感は味わっていたので、精神的にはとても落ち着いて試験に挑むことができました。ですが、試験が始まり途中で隣の子が固まってしまったのです。

どうやら私の絵の進み具合や出来栄えを見て固まってしまったのです。その子は途中で描くことを辞め、ひたすらカッターで鉛筆を削っていました。

これは、よくあることなのですが美大受験は私のような一浪から、二浪や三浪が普通にいます。なので、特に現役で初めての美大入試の子は浪人生の絵を見ると固まってしまう子が多いです。逆も然りで、後がない浪人生も今年は絶対受からなければというプレッシャーから絵の上手い現役生をみると思うように描けなくてまた一年浪人するというパターンもあります。なので、美大受験において最も大事なのは実力もさることながら試験で相手に流されない鋼のメンタルがとても大事なのです。

席を離れて「形のくるい」を確認している

他の人の絵が見えてしまうのは仕方ないとして、試験中に席を立つのはどうなのか。
実はデッサンにおいて、この席を離れることがとても重要な役割を担っています。

デッサンは、はじめにモチーフの形を正確にとることがとても重要になってきます。そのため、最初はただガムシャラに描くのではなく少し描いたら絵から離れて、また描いては離れてを繰り返して客観的に自分が描いた絵を見ます。そうすることで自分の描いている絵の形がおかしい部分が見えてきます。専門用語で「形がくるってる」なんて言われたりします。いくら影や質感をしっかりと描き込んでいても最初の形をとるタイミングで「形がくるっている」と大幅な減点になり、まず合格するのは難しいです。それを防ぐ為にも最初の段階で席を離れて、形をしっかりととることがとても大事になってきます。

なので試験中も他の人の邪魔にならなければ席を立っても大丈夫なのです。
ただ試験は制限時間が決まっていますので、余裕がなくて席から全く立たないでそのまま描き続ける人もいますが、大体そういう人の絵は「形がくるっている」ことが多いです。

まとめ

今回は美大受験についてお話しました。

この話をした後は、友人も「なんだ、カンニングってそういうことかぁ〜。美大受験って変ってて面白いね!」と、とても驚いていました。

確かに、よくよく考えてみると絵を描く試験は美大特有なんだなと改めて思いました。私は、勉強があまり好きではなかったので一般の大学入試のように全教科筆記試験だったら本当に苦痛で恐ろしいなぁと思ってしまいます。一般の大学生は本当によく勉強しているなとただただ感心するばかりです。

美大生はみんな油絵を描いてると思ったら大間違い。色々あるよ、学科紹介!

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