岡上淑子 フォトコラージュ -沈黙の奇蹟-

以前、東京都庭園美術館で行っていた 岡上淑子 フォトコラージュ -沈黙の奇蹟-展の図録。コラージュを制作している私にはとても参考になる作家の一人だったので紹介したいと思います。

目次

幻のコラージュ作家

岡上淑子(おかがみとしこ)

1928年高知県に生まれる。戦後にアメリカの進駐軍が残した「LIFE」や「VOGUE」「Harper’s BAZAAR」などの雑誌を素材にフォトコラージュ作品を制作します。戦後の風景をとらえた写真と、モードなファッションに身を包んだモデルの写真の切り抜きからなる独自の世界観を確立し、美術評論家・瀧口修造に才能を見出されたコラージュアーティストです。

コラージュは誰かの作品を拝借している

コラージュ ー 他人の作品の拝借。鋏と少しばかりの糊。芸術と申せば何と軽やかな、そしてなんと厚かましい純粋さでしょう。

岡上淑子

これはコラージュ特有だなと思ったのですが、一から自分で絵を描いたりして制作するのではなく雑誌などの切抜きを使うわけですから、すでに一つの作品として誰かがその人物の写真のレイアウトを決めて作ったもの。それを今度は別の人がそのレイアウトしたものを切り抜いて全く違う作品として新たに作り変えている。

このように他人の作品を拝借して、出来上がったコラージュは他のアートにはないどこか少し商業的で不思議な魅力があるのかなと思いました。

素材で作品のクオリティーが上がる

先述した通り「LIFE」や「VOGUE」「Harper’s BAZAAR」といったファッション雑誌を使っているからか、全ての作品が洗礼されている印象でした。コラージュは選んだ素材で全てが決まるので、岡上さんも「長い時には、1年ぐらいかけてモチーフ探しをした。」なんて書いてあったので、モチーフ探しは超大変であることを改めて痛感しました。。

図録にすることで別の作品となっている

実際の展示を見に行ったのですが、アナログで切り貼りしたコラージュだったので紙が貼ってある感じやハサミで切り取った後が残っていて、制作時のリアルさが作品を通して伝わってきたのを覚えています。ですが展示が終わり図録を家で見返していると、「あれ?何かこの前と印象が違うな。。」と不思議に思っていてふと気付いたのが、図録は印刷しているので紙が貼り合わせてある薄い段差や、糊が紙からはみ出ている後なども消えてしまっていて、一つの絵のような展示の時に見た時とはまた違う作品として味わうことができたのが大きな発見した。

まとめ

こちらの図録は収録作品も多く、ボリュームがある一冊になっています。コラージュをしている方はとても参考になるので、気になる方は読んでみてくださいね。

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