【銅版画の作り方 技法 その13】凹版なのに凸版みたい!?カーボランダム(carborundum) で作ってみよう

ワンコ先生

今回はカーボランダムで作品を作っていくよ。

おまつ

カーボランダムって響きがカッコイイね!

目次

カーボランダムとはどんな技法?

カーボランダムは、炭化ケイ素という化合物のことを指します。なので、厳密に言うと技法名と言うよりは「炭化ケイ素を使って作った版画だよ。」と言ったほうが正しいかもしれません。今回はこの炭化ケイ素を使った版画技法を紹介します。

ワンコ先生

写真の瓶に入っている黒い粉が炭化ケイ素だよ。

おまつ

右にあるメディウムっていうのは何?

ワンコ先生

メディウムは主に絵の具に混ぜて使ったりして、描いた時のテクスチャーを変えたりする時によく使われるんだよ。今回は、メディウムと炭化ケイ素を混ぜて使うことで、炭化ケイ素を銅板にくっつけるんだよ。もしメディウムがなかったら木工用ボンドでも代用できるよ。

炭化ケイ素とメディウムを混ぜ合わせる



紙パレットの上に、炭化ケイ素をとメディウムを出します。炭化ケイ素は粒子の大きさごとに種類があるので、色々な大きさの粒子を混ぜて使うと刷った時に、表情に広がりが出て面白いと思います。

筆で混ぜ合わせます。粉っぽかったらメディウスを少し足したりして調整します。

おまつ

どのぐらいの量を混ぜるとかは決まってるの?

ワンコ先生

特に量とかは決まってないから目分量で大丈夫だよ。

うまく混ざったら、綺麗に表面を拭いた銅板に描画していきます。カーボランダムはドライポイントと同様に腐食をしない技法なので、表面をドライヤーなどで乾かして、固まったらインク詰めをして刷っていきます。

ワンコ先生

炭化ケイ素を盛り過ぎると、刷る時に紙が破けるから気をつけてね。

刷り上がりはこんな感じ!

紙をめくると、綺麗に刷りあがっていました。

近くで見ると炭化ケイ素のゴツゴツ感がよく出ていて、手で表面を触ってみると凹凸がすごいです!



版の方もインクが隙間に入り込んで、拭き取りがかなり大変でした。

ワンコ先生

カーボランダムは銅版の表面に出っ張っているから、凹版なのに凸版みたいな表現になる不思議な技法なんだよ。

おまつ

本当だ!面白いね!

まとめ

今回はカーボランダムという炭化ケイ素を使った少し変った技法を紹介しました。炭化ケイ素自体を知らないという人が、もしかしたらほとんどかもしれないのでこれを機に知ってもらえたら嬉しいです。調べたら炭化ケイ素自体は、ネットで購入もできますので気になる方は探してみてくださいね。その他にも砂鉄や細かい砂を代用しても作れるかもしれないので挑戦してみるのも面白いと思います。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次