【銅版画の作り方 技法 その14】砂糖を使ったシュガーチント(sugar aquatint)で作ってみよう



シュガーチントとはどんな技法?


シュガーチントの原理


えっ、ということは砂糖もリフトするってこと?

そう、リフトグランドの時はこすってリフトさせたんだけど、砂糖が水性だから水につけると砂糖の部分が溶けてリフトするんだよ。

すごいね!
▼リフトグランドの原理はこちらから
【銅版画の作り方 技法 その9】描いたところが浮き上がる!?リフトグランドエッチング(lift ground etching) で作ってみよう
用意する物
用意するもの
・アラビアゴム
・砂糖
・水
アラビアゴムはこのように固形の状態なので使う量だけ水に浸して溶かします。1日程、水の中に置いておくと液体になります。


アラビアゴムは砂糖水に粘度を出す為に使うんだよ。いわば砂糖と銅版を接着させる為に使うんだよ。
こちらが砂糖と1日ほど置いたアラビアゴム、砂糖、水を混ぜた溶液です。

どのぐらいの量を混ぜるとかは決まってるの?

できた溶液で描画する
綺麗に拭いたまっさらな銅版に溶液をつけて描画していきます。
描き終わったら下から熱して温めて乾かします。
砂糖の部分がしっかり乾いたら上からグランドを塗って再度乾かします。
水の中でリフトさせる
完全に表面が乾いたら水の中で揺らして砂糖の部分を溶かしていきます。

お湯を使うと早く取れるよ。
ただ水の中で揺らしただけなのですが、砂糖の部分のグランドが取れています!
近くで見てもしっかりと気泡の形にグランドが剥がれていてすごい。。。
この後はいつものように腐食をして完成です。
刷るとこんな感じ
こちらが10分程腐食して刷ったものです。筆で描いた後や、砂糖を熱した時の気泡の跡が出ていて面白い表情になりました。

本当だ!不思議な表情だね!
まとめ
今回はシュガーチントという砂糖を使った技法を紹介しました。以前に紹介したリフトグランドと同じ原理なのですが、出来上がりの表情は全く違うので使うものによって、こんなにも表現の幅が増えるのかと驚くばかりでした。水につけてリフトするまでどういう風になるのかが分からない技法なので、偶発的な表現をしたい人には特にオススメの技法です!
コメントフォーム