今回は、銅版画でよく使われるステート(state)について解説していくよ。
ステートってなに??
ステート (state)は刷りの過程の段階のこと
ステートとは刷りの過程の段階を指し、第1ステート、第2ステートという風に使われます。こちらのバナナの作品を例に説明をすると、まずこちらのエッチングだけで刷られた作品。こちらを第一ステートと言います。
▲先程の第一ステートのエッチングに手彩色で描いた作品を第二ステートと言います。
このように銅版画は、様々な技法を組み合わせて一つの作品として完成させます。なので完成していなくても、制作過程で気に入ったものが出来たら複数枚刷り、第一ステート 、第二ステート という風に残しておくことが出来ます。
版画ならではって感じで面白いね。
ステートの良いところ
途中で良いなと思ったら作品として残しておける
例えば、油絵や水彩画などの作品は制作過程を一つの作品として残すことができません。ですが、銅版画の場合は何度も途中、途中で確認しながら徐々に完成に近づいていくので、「まだ出来上がってないけど、この段階の表情面白いな。。」と思ったら何枚か刷っておけば作品として残すことができます。その後は加筆してしまうので戻ることは出来ませんが、途中で立ち止まることは出来ます。
過程が残せるので今後の作品の修正点などを見つけやすい
油絵などの絵は途中で残せないので、途中段階を残したいのであれば、注意深く気にしながら写真などを撮る必要があります。
ですが、銅版画の場合は腐食具合などの細かい微調整をしながら完成形態に近づいていくので、嫌でも途中経過が形として残るので容易に残すことができます。
ちなみに、あの有名なピカソやレンブラントも10ステートぐらい作っていたりするんだよ。
さすが、売れっ子は違うね。
まとめ
今回は銅版画でよく使われるステートについて紹介しました。ステートが作れるのは銅版画ならではの特徴なので、銅版画を制作している人は自分のお気に入りのステートを残してみてくださいね!