【銅版画の作り方 技法 その10】描いたところが浮き上がる!?リフトグランドエッチング(lift ground etching) で作ってみよう



リフトグランドエッチングとはどんな技法?



【銅版画の作り方 技法 その8】石鹸を使った技法って何?不思議な表情になるソープグランドエッチング(soap ground etching)
リフトグランドエッチングの原理について
マスケットインクで銅版に直接描画する
腐食したい部分をマスケットインクで描画します。これによりグランドがつかない状態を作ります。


グランドで全体を覆う
マスケットインクが乾いたら上からグランドで覆い乾かします。
マスケットインクの部分をグランドごと剥がす
マスケットインクで覆った部分を擦って剥がすことでグランドごと剥がれるのでそこの部分を腐食します。


マスケットインクで描画する
用意するもの
・マスケットインクまたは、水性の溶剤
・筆
グランドなどは塗らずに腐食したい部分(出来上がりが黒くなる部分)をマスケットインクで直に描画していきます。

下から熱してマスケットインクを乾かす
マスケットインクが透明になるくらいになるまで熱してマスケットインクを乾かします。

マスケットインクの上からグランドを塗る
マスケットインクの部分を手で触ってみてベタベタがなくなったらその上からグランドを塗り、再度裏から熱してグランドを乾かします。
マスケットインク部分を取り除く
マスキングテープや指で擦ったりして、マスケットインク部分を取り除きます。

腐食する
マスケットインクが取り除き終わったら10分程、腐食します。色の濃さを確認し、再度アクアチントで調整します。
綺麗に洗うとこんな感じにしっかりとマスケットインクの部分が腐食されていました。
実際に刷るとこんな感じで、しっかりと色が出ました!
完成!
この後、ソープグランドエッチングとシンコレを組み合わせて完成です。
【銅版画の作り方 技法 その8】石鹸を使った技法って何?不思議な表情になるソープグランドエッチング(soap ground etching)
まとめ
今回はリフトエッチングという技法を紹介しました。エッチングとは違い広い範囲で描画できるので気になる人は、是非一度試してみてくださいね。
また、銅版画は色々な技法を覚えるとその数だけ組み合わせて一つの作品を作ることができるのでとても奥が深く、毎回新しい発見が合って楽しいです!

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