【銅版画の作り方 技法 その7】描いた線が「にじむ?」ドライポイント(drypoint) で作ってみよう


前回のアクアチントで作ったものにドライポイントで加筆していくよ!

おー!ドライポイントってなんか強そう!
ドライポイントってどんな技法?

ドライポイントは版に直接傷をつけて描いていくとってもシンプルな技法なんだよ。

あれ??それってエッチングじゃないの?

そうだね、描きかたとしてはエッチングと全く同じなんだけどドライポイントはグランドを塗っていないから「まくれ」が出来てその「まくれ」によって線がにじむからエッチングの線とは違う表情が出るんだよ。

まくれ?

・・・。
ドライポイントの原理について
まくれとは
まくれとはニードルなどで銅版を直接彫ると、彫ったところが両側に押しのけられ、跳ねっ返りみたいに銅が盛り上がることを言います。

まくれは版の表面がこんな感じで逆剥けるんだよ。
まくれの溝にインクが引っかかる
インクを詰めた際に、ニードルで彫った部分とまくれの溝の部分にインクが入り込みます。
まくれに溜まったインクも一緒に刷られる
これにより、溝に入り込んだ部分のインクが滲んで刷られます。

エッチングの場合はグランドで表面を覆ってから彫るからこのまくれが出来ないんだよ。

すごーい!!
ニードルで彫っていく
力を入れた方がまくれがしっかりと出来るので力を入れながらニードルで彫っていきます。
彫りが完了!
こんな感じでニードルでの彫りが完了したので早速刷っていきます。
刷るとこんな感じ!
綺麗に線が出ました。
アクアチントの上に彫った部分もしっかりとドライポイントの線が出ています。
線ににじみが出てる
近くで見ると、ドライポイントの線が滲んでいます。この滲みの部分がまくれの部分になります。
前回のアクアチントだけのものと比べると、より作品に深みが出たかなと思います。

ドライポイントの線が入って作品にメリハリが出てるね!
まとめ
今回はドライポイントについて紹介しました。ドライポイントもモノタイプと同様、腐食する必要がないので初めての人も扱いやすい技法かなと思います。筆圧で色の濃さに強弱が出るので色々試してみると面白いと思います。

とってもシンプルな技法だからみんなも試してみてね!
コメントフォーム