【銅版画の作り方 技法 その9】石鹸を使った技法って何?不思議な表情になるソープグランドエッチング(soap ground etching)

ワンコ先生

今回はソープグランドエッチングで作品を作っていくよ。

おまつ

ソープって石鹸のこと?

目次

ソープグランドエッチングとはどんな技法?

ワンコ先生

そうそう、よく分かったね!石鹸をグランドに混ぜて使う技法なんだよ。

おまつ

石鹸って手洗う時に使うやつだよね。グランドに混ぜたらどうなるの?

ワンコ先生

化学反応でいい感じの表情が出来上がるんだけど、、

ソープグランドエッチングの原理について

石鹸に入っている界面活性剤で油性部分を溶かす

グランドは本来、腐食しないように銅版の表面を防食する時に使います。また、グランドは油性です。なので普通にグランドだけを塗ってしまうと普段のように、塗られた部分が防食されます。ですがそのグランドに石鹸水を混ぜると、どうなるのか。

石鹸水を混ぜると石鹸に入っている界面活性剤が油性部分を溶かします。そうすることで、完全な油性ではなく石鹸が混ざり合った部分は油性が溶かされているのでまだらになります。

この油性と、水性がまだらになった表情を使い描画していきます。

グランドに石鹸を混ぜ合わせる

グランドに石鹸を混ぜていきます。石鹸水は、固形石鹸に水をつけて筆でまぜてつくったものです。石鹸なら何でも良いので固形がない場合はプッシュタイプのハンドソープでも出来ると思います!(出来上がりは少し変わるかもしれないですが。。)

  • 用意するもの
  • グランド(適量)
  • 石鹸を水で溶いたもの(普通の石鹸でOK、思っているより多めに作るといいです。)

石鹸水のお皿にグランドを入れます。

ワンコ先生

量は1:1ぐらいかな様子を見て足りなかったら調整してね。

このようにサクサクっと混ぜます。

ワンコ先生

このまだらな部分が重要だからあまり混ぜすぎないのがポイントだよ。

筆で描画していく

先程のグランドに石鹸を混ぜたものを筆につけて銅版に描画していきます。今回は何だか豪快な感じの作品を目指し勢いのまま描いていきます。

おまつ

楽しそうだね〜!!

ワンコ先生

まだらを保つためにも、時間が経ってくると石鹸の泡が弱くなってグランドと混ざり合うから新しい石鹸水とグランドを混ぜて作ってね。

腐食する

描画が終わったら、アルコールランプなどで下から熱っして乾かし、水で軽く洗い腐食していきます。10分程腐食して様子をみます。この後アクアチントを追加しさらに5分程腐食し、色味の調整を行いました。

刷り上がりはこんな感じ!

紙をめくると、綺麗に刷りあがっていました。

何が出来上がるかなかなか予想できませんでしたが、大胆なタッチのおかげか、豪快な作品が出来上がりました。かっこいい。。

近くで見ると石鹸水とグランドの混ざり合った部分がまだらに表現されていて、何とも不思議な表現で面白いです。。

まとめ

今回はソープグランドエッチングという石鹸を使った技法を紹介しました。石鹸水とグランドの混ざり具合で様々な表情になりますので、まだらな味のある表現をしてみたい方は、挑戦してみてくださいね。私は結構楽しかったので他の作品も作っていこうかなと思います!

おまつ

石鹸を混ぜるだけだから簡単に出来るね!

ワンコ先生

お手軽だけど、この「まだら」の表現をうまくコントロールできるようにするのが少し難しいから何回も挑戦してマスターしていけるといいね!

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