先端の取り替え可能なルーレット(Roulette)でメゾチントプレートを作ってみた!

先端の取り替え可能なルーレット(Roulette)でメゾチントプレートを作ってみた!

以前、購入した銅版画の道具の中から今回はルーレットを紹介していきます。

銅版画の道具をついに購入! フランスの職人さんが作る Matthieu Coulanges(マシュー クーランジュ)

ルーレットとはどういった道具なのか

銅版画の道具と言ったら、ニードルを思い浮かべる人が多いと思いますが、実はニードル意外にも彫る道具があります。それがこちらのルーレット。前回の道具の記事でも少し触れたのですが、端的に言うと先端に回転するヤスリが付いていて、そのヤスリで銅版の表面を傷つけて彫っていく道具になります。

ただ、こちらの道具は基本的にはアクアチントや メゾチントなどの技法の時に濃淡の微調整をする際に用いることが多く、メインで使うというよりは補助的な役割を担うことが多いです。

【銅版画の作り方 技法 その⑥】面で濃淡を出す!アクアチント(aquatint) で作ってみよう

通常のルーレットとは何が違うのか

こちらのルーレットは、ニードルのようにメインの道具として活躍して作品を作ることができるという今までになかった、とても画期的な進化版ルーレットになっています。

複数の刃の取り付けが可能

こちらのルーレットの最大の特徴は、刃の種類が取り替え可能なこと。
「ふーん、そんなにすごいことなのか?」と思うかもしれませんが、実は先程紹介した一般的なルーレットは刃を替えることができません。なので、荒さを替えたければ荒さごとに何本も買う必要があります。また、種類と言ってもそんなに種類があるわけでもなく数種類しかありません。その為、表現の幅も限られてしまい、補助的な役割の道具になってしまっています。

そんな問題点を解消したのがこちらのルーレット。

替刃の数だけ表現の幅が増える

上の写真は、「この刃を使うとこんな風に彫れますよ。」という刃の荒さを比較したものです。このように比較してみると一つ一つの彫れ方が、かなり違いますね。

次に、この版で実際に刷ったものをみていきます。

 

引用:http://matthieucoulanges.fr/boutique/en/

実際に刷ったものがこちらの上の写真になります。
どうですか?一つ一つの刃の種類ごとに、細かい表現の差が出ているかと思います。

銅版画でこのように、木炭で描いたような力強く温かい黒を彫るには、とても時間のかかる作業なのですが、こちらのルーレットを用いると、鉛筆で色を塗るのと同じぐらい簡単に彫れてしまいます。

「こんな短時間で、しかも簡単だ。。」この事実に、ただただ驚くばかりでした。

滑らかな削り具合

実際に使った感じはどうなのか。

驚くことに、とても滑らかに彫ることができます。「彫るというよりは滑らせて削っている」そんな感覚で、とても楽しいです!

メゾチントプレートを作ってみよう!

では実際にこのルーレットを最大限活用できる技法はなんだろう?と考ていると、

先生が、「メゾチントプレートが簡単にできるよね!」と一言。

「おー!!なるほど!」というわけでメゾチントプレートを作ってみることにしました。

メゾチントという技法についてはまた後日、紹介することにして、簡単に説明すると、銅版の一面、溝だらけの版を作ってその溝を削り取り、潰して平らにすることで、陰影でいうところの光の当たっている白い部分を描いていくという技法です。雰囲気としては木炭デッサンに近いですね。練りゴムで光の部分を描いていく感じです。

その溝だらけの版のことをメゾチントプレートと言います。このメゾチントプレートは溝をつける「目立て」という作業が、かなり大変なので、すでにこの溝をつけてある状態のものが売っています。私のようにズボラな人はこのメゾチントプレートを買って制作するのですが、こだわっている人はメゾチントプレートから作ります。作ったほうが個性が出るのでメゾチントを極める人はみんな自分で作ります。

メゾチントプレートを作って比較してみる


ということで、実際にメゾチントプレートを作り、市販のメゾチントプレートとどれくらいの差が出るのかを比較することに。

左側があらかじめ「目立て」がしてある買ってきたメゾチントプレートです。こちらは機械でガシャンと上から溝をプレスして作っていますので刷るまでもなく、均一な真っ黒が刷れます。そして右側が今回のルーレットを使用して作ったメゾチントプレート。こちらは、まっさらな銅版を動画のようにルーレットを転がして作ったもの。

見た目からかなり差が出ています。私の雑さが出てしまっている笑。

やはり刷らないと分からないな、、ということで、まずは何も描かないで刷ってみます。どんな違いが出るのか楽しみです。

刷って比較してみた

ババーン!

左の市販のメゾチントプレートは予想通りの綺麗な黒が出ていますが、右のルーレットで作った方は、白い部分があり、彫れている部分とそうでない部分が出てしまっています。

この白い部分を重点的にルーレットで加筆をし、黒くしていきたいと思います。

もっと白い部分があるかと思っていましたが、意外にも綺麗に黒が出ていたので驚きです。しかも、木炭で描いたみたいで、これはこれでなんか作品として出しても面白いかも。。

まとめ

今回はこちらのルーレットを使ってメゾチントプレートを簡単に作れるよ!というのを紹介しました。メゾチントの技法についてはまた詳しく記事を書きますが、メゾチントプレートを作るのは、本当に時間がかかるのでこんなにも簡単に出来ることが今だに信じられません。文明の利器を感じました。。

メゾチントは削った部分にも微かに彫った筆跡が残るので、それがその人の作品の個性となって出てくる面白い技法だなと感じました。
また、こちらの道具を使えば、スクレーパーで削り過ぎてしまっても、再度ルーレットで加筆して修正ができるので失敗することがないのがとても良いと思いました。

ご購入はこちらのサイトからどうぞ。

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