【銅版画の作り方 技法 その10】描いたところが浮き上がる!?リフトグランドエッチング(lift ground etching) で作ってみよう

ワンコ先生

今回はリフトグランドエッチングで作品を作っていくよ。

おまつ

リフトって何だ何だ?

目次

リフトグランドエッチングとはどんな技法?

ワンコ先生

リフトグランドとは、グランドをリフト(持ち上げる)させて描いていく技法だよ。

おまつ

えっっ、、グランドが持ち上がるってどういうことなの!?

ワンコ先生

前回の石鹸を使ったソープグランドエッチング同様に水性と油性の反発を使った技法なんだよ。

リフトグランドエッチングの原理について

マスケットインクで銅版に直接描画する

腐食したい部分をマスケットインクで描画します。これによりグランドがつかない状態を作ります。

おまつ

マスケットインクってなんなの?

ワンコ先生

絵を描くときに白く残したい部分に塗って使うものだよ。マスキングテープの液体版かな。

グランドで全体を覆う

マスケットインクが乾いたら上からグランドで覆い乾かします。

マスケットインクの部分をグランドごと剥がす

マスケットインクで覆った部分を擦って剥がすことでグランドごと剥がれるのでそこの部分を腐食します。

おまつ

なんだか面白い作り方だね。

ワンコ先生

この方法だと、普段のエッチングよりも広い範囲が腐食できるし、面白い表現になるんだよ。

マスケットインクで描画する

用意するもの

・マスケットインクまたは、水性の溶剤
・筆

グランドなどは塗らずに腐食したい部分(出来上がりが黒くなる部分)をマスケットインクで直に描画していきます。

ワンコ先生

マスケットインクはゴムでできていて粘度が高いから筆で描く時は盛る感じで乗っけるのがポイントだよ。

下から熱してマスケットインクを乾かす

マスケットインクが透明になるくらいになるまで熱してマスケットインクを乾かします。

ワンコ先生

あまり、熱し過ぎるとせっかく描いたマスケットインクが溶けるから透明になってきたなーと思う部分で火から離して様子を見ながら調整してね。

マスケットインクの上からグランドを塗る

マスケットインクの部分を手で触ってみてベタベタがなくなったらその上からグランドを塗り、再度裏から熱してグランドを乾かします。

マスケットインク部分を取り除く

マスキングテープや指で擦ったりして、マスケットインク部分を取り除きます。

ワンコ先生

マスケットインクの周りの部分のグランドが剥がれないように注意してね。

腐食する

マスケットインクが取り除き終わったら10分程、腐食します。色の濃さを確認し、再度アクアチントで調整します。

綺麗に洗うとこんな感じにしっかりとマスケットインクの部分が腐食されていました。

実際に刷るとこんな感じで、しっかりと色が出ました!

完成!

この後、ソープグランドエッチングとシンコレを組み合わせて完成です。

まとめ

今回はリフトエッチングという技法を紹介しました。エッチングとは違い広い範囲で描画できるので気になる人は、是非一度試してみてくださいね。

また、銅版画は色々な技法を覚えるとその数だけ組み合わせて一つの作品を作ることができるのでとても奥が深く、毎回新しい発見が合って楽しいです!

おまつ

僕も色々な技法を使ってたくさん作品作ろっと!

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